BASEとShopifyはどっちが売れる?費用と顧客データで比べる

BASEとShopifyのどちらが売れるのか。この問いに「機能が多い方」と答える記事は多いのですが、売れる量を決めるのは集客で、プラットフォームが決めるのは売れた後に残る利益と、二度目に買ってもらう仕組みの作りやすさです。

この記事では公式の料金だけを使って実質負担率を計算し直し、顧客データの持ち方、集客と決済の前提を並べて比べます。月商と客単価を入れれば自分の条件で計算し直せる式も載せました。

すでにBASEで運営していて乗り換えを具体的に検討している方は、BASEからShopifyへの移行手順と費用の考え方に実務をまとめています。

この記事の要点

  • 売れる量はどちらでも集客しだい。差が出るのは残る利益と、顧客データを自分で持てるかどうか
  • BASEスタンダードは月額0円でも売上の6.6%と1注文40円がかかり、客単価5,000円なら実質7.4%
  • Shopify Basicは年払いなら月3,650円と3.55%で、月商が11万円を超えると実質負担率が7%を切る
  • BASEグロースが Shopify Basic より安くなるのは月商およそ200万円からで、決済の内訳で数百万円単位で動く
  • BASEは顧客情報をダウンロードできない。Shopifyは顧客・商品・注文をCSVで書き出せる

BASEとShopifyどっちが売れるかの結論

先に答えを書きます。どちらを選んでも、来店するお客様の数は自分で増やす必要があり、プラットフォームの違いで売れる量が自動的に変わることはありません。

違いが出るのは3か所です。売れた後にいくら残るか、二度目に買ってもらう仕組みを持てるか、そして半年後にやりたいことが実現できるかの3点です。前の2つは公式の料金とヘルプから機械的に決まる差で、好みの問題ではありません。

売れる量は集客が決めプラットフォームは残る利益と二度目の売れやすさを決める

BASEもShopifyも、ショップを開いただけで検索やSNSから人が来る仕組みは持っていません。集客の方法は独自ドメインの取得、検索向けの設定、広告、SNSと共通で、どちらを選んでも必要な努力は同じです。

一方で、同じ売上でも手元に残る額は料金の作りで変わります。BASEは売れた分に比例して払い、Shopifyは月額を先に払う代わりに率が低いため、月商が小さいうちはBASE、伸びるほどShopifyが有利です。

もう1つの差は顧客データです。BASEは顧客情報をダウンロードできず、Shopifyは書き出せるため、再購入の案内や将来の移転の自由度が変わります。

月商の目安で見た向き不向きの早見表

標準のカード決済だけを使い、Shopify Basicは年払い、BASEグロースも年払いという条件で、月商の帯ごとに費用が低い方を並べた早見表です。BASEスタンダードとShopify Basicを比べた結果であって、BASEの2プラン同士の目安ではありません。

月商の目安Shopify Basic年払いと比べて費用が低い方帯の根拠
7万円未満BASEスタンダード月額0円のため、Shopify Basicより月商が小さいほど有利
7万〜11万円客単価で入れ替わる帯客単価が低いほど早くShopify Basicへ逆転
11万〜200万円Shopify Basic月額3,650円を払っても率3.55%の差で下回る
200万円超BASEグロースとShopify Basicが並ぶ率の差0.65%が月額の差12,930円を吸収し始める

この表は結論だけを見るためのもので、率そのものは次の節の負担率の表、前提を変えたときの動き方は分かれ目の表に分けて載せています。アプリや有料テーマ、PayPayなどの加算、PAY IDアプリ経由の注文は除いた値です。

BASEとShopifyの違いは料金の作りが根本から違うこと

月額だけを並べても比べられません。BASEは売れたときに2種類の費用を払い、Shopifyは月額を先に払って決済手数料は低めという、逆向きの作りだからです。

BASEは売れた分だけ払う

BASEのスタンダードプランは初期費用も月額も0円です。その代わり注文ごとに決済手数料3.6%と40円、さらにサービス利用料3%がかかり、合わせると売上の6.6%と1注文40円になります。

グロースプランは月額がかかる代わりに、決済手数料が2.9%でサービス利用料は0円です。月額は月払いなら19,980円、年払いなら1か月あたり16,580円で、どちらも税込と公式ヘルプに明記されています。

項目スタンダードグロース
初期費用・月額0円・0円0円・月払い19,980円か年払い16,580円
決済手数料3.6%+40円2.9%
サービス利用料3%0円
合わせた率6.6%+1注文40円2.9%
PayPay・Amazon Pay・PayPal4.6%+40円3.9%

プランの違いは手数料だけで、使える機能に差はありません。BASE公式ヘルプのスタンダードプランの説明グロースプランの説明の両方で確認できる点です。

見落としやすいのがPAY IDアプリ経由の注文です。BASE公式の料金ページによると、PAY IDアプリからの注文は1注文あたり決済手数料3.6%と40円に加えてサービス利用料5.9%がかかり、グロースプランでも2.9%は適用されません。

Shopifyは月額を先に払い決済手数料は低め

Shopifyはどのプランでもセットアップ手数料がかからず、Basicの月額は月払いで4,850円、年払いなら1か月あたり3,650円です。国内カードの決済手数料はBasicで3.55%、上位のGrowで3.4%、Advancedで3.25%と、プランが上がるほど下がります。

プラン月払い年払い国内カード海外カード・Amex外部決済の取引手数料
Basic4,850円3,650円3.55%3.9%2%
Grow13,500円10,100円3.4%3.85%1%
Advanced58,500円44,000円3.25%3.8%0.6%

大規模向けのPlusは月額368,000円からの契約制で、この記事の読者層から外れるため表には載せていません。

Shopify ペイメント以外の決済サービスを使うと、決済会社の手数料とは別にShopifyへ取引手数料を払います。Basicで2%と大きいので、Shopify ペイメントを使う前提で比べるのが実態に近い計算です。

出典はShopify公式の料金ページで、料金は改定されることがあるため、契約前に必ず現在の表示を確認してください。

税の表記と改定の扱い

BASEの公式ヘルプはグロースの月払い19,980円と年払い16,580円をどちらも税込と書いています。Shopifyの日本語の料金ページには税込か税抜かの表記が見当たらず、この記事では両者とも表示額のまま計算しました。

見出しや早見表に金額を焼き込まず本文に置いているのは、改定のたびに古い数字が残るのを避けるためです。判断の直前には両社の料金ページを開き直してください。

月商と客単価で計算し直す実質負担

競合の比較記事は月商1点で試算することが多いのですが、BASEには1注文40円の固定分があるため、客単価が低いほど実質の率が上がります。ここでは月商と客単価の2軸で計算し直します。

計算式と条件

条件は次のとおりです。標準のカード決済だけを使い、ShopifyはShopify ペイメントを利用したBasicの年払い、BASEグロースは年払い。アプリや有料テーマ、振込手数料、PayPayなどの1%加算、PAY IDアプリ経由の注文は除外です。

月商をS円、客単価をU円、注文数をS÷Uとしたときの月の費用が、次の3本の式です。

  • BASEスタンダード = 0.066 × S + 40 × (S ÷ U)
  • BASEグロース = 16,580 + 0.029 × S
  • Shopify Basic = 3,650 + 0.0355 × S

式のとおり、BASEスタンダードの率は客単価だけで決まり、月額のある2プランの率は月商だけで決まる構造です。自分の数字を入れれば、記事の表を写さなくても答えが出ます。

客単価別と月商別の実質負担率

BASEスタンダードは6.6%に1注文40円を足した率になるため、客単価2,000円なら8.6%、5,000円なら7.4%、10,000円なら7.0%です。客単価が低い雑貨や食品ほど、月額0円でも負担率は重くなります。

月商BASEグロース年払いShopify Basic年払い
10万円19.5%7.2%
30万円8.4%4.8%
50万円6.2%4.3%
100万円4.6%3.9%
200万円3.7%3.7%
300万円3.5%3.7%

Shopify Basicの年払いは月商10万円で実質7.2%、月商50万円で4.3%と、月商が増えるほど3.55%に近づきます。BASEグロースの年払いは月商50万円で6.2%、月商200万円でShopify Basicと並び、月商300万円なら3.5%です。

分かれ目は幅で読む

BASEスタンダードからShopify Basicへ費用が逆転する月商は、客単価2,000円なら約7.2万円、5,000円なら約9.5万円です。客単価10,000円なら約10.6万円で、およそ7万円から11万円の幅に収まります。

BASEの中でスタンダードからグロースへ切り替える分かれ目は、年払いで1注文40円まで含めると客単価5,000円で月商約37万円です。BASE公式ヘルプが示す目安は約50万円で、PAY IDアプリ経由の注文を除いた値ですが、計算の前提は公開されていません。

本記事の約37万円は年払い・1注文40円込み・客単価5,000円の値で、前提が違えば数字も動きます。

前提の変え方BASEグロースがShopify Basicより安くなる月商
上の条件どおり約199万円
Shopifyを月払いにする約180万円
BASEグロースを月払いにする約251万円
Shopifyに月5,000円のアプリを1本入れる約122万円
PayPayなど1%加算の決済が注文の3割約369万円
PAY IDアプリ経由の注文が5%約462万円
PAY IDアプリ経由の注文が8.8%超逆転しない

表の各行は、3本の式のうち月額か率の項を1つだけ差し替えて、グロースとBasicの費用が等しくなる月商を解いた値です。たとえばShopifyを月払いにする行は、月額の差16,580円から4,850円を引いた11,730円を、率の差0.65%で割った約180万円になります。

月商200万円という分かれ目は、決済の内訳とアプリ費用で100万円以上動きます。点で覚えず、自分のショップの決済の割合を入れて計算し直してください。

集客とSEOの売れる仕組みは両方とも自分で作る

「Shopifyの方が集客機能が多いから売れる」という説明をよく見ますが、どちらも開設しただけでお客様が来る仕組みは持っていません。違いは、集客の道具をどこまで自分で組めるかにあります。

BASEの集客機能とPAY IDアプリの位置づけ

BASE株式会社のプレスリリースによると、累計のショップ開設数は260万ショップ、購入者向けのPAY IDの累計登録者数は2,000万超です。

この登録者に自動的に商品が届くわけではありませんが、PAY IDアプリ経由の注文が入る余地はあります。その注文には決済手数料3.6%と40円に加えてサービス利用料5.9%がかかると公式の料金ページにあるため、集客の入口と費用は一体で考える必要があります。

検索向けの設定は、SEO設定Appを入れるとトップページ、ABOUTページ、各商品ページごとに検索キーワードとページ説明を設定できる仕組みです。独自ドメインAppは無料で、他社で取得したドメインへのショップURLの変更に対応しています。

Shopifyの集客機能はアプリと外部広告が前提

Shopifyは公式のApp Storeに16,000を超えるアプリがあり、メールやレビュー、広告連携などを後から足す作りです。標準で持つのはページと商品ごとのタイトルとメタディスクリプションの設定で、集客の道具そのものはアプリと外部の広告で組みます。

購入者側の仕組みとして、Shop Payは1億5,000万人を超える買い物客が使うと公式が説明しており、Shopify ペイメントを設定すれば追加料金なしで使えます。ただしこれは購入手続きを速くする仕組みであって、集客の代わりではないという点は押さえておきたいところです。

独自ドメインとSEO設定の違い

独自ドメインはどちらでも使えます。Shopifyは既存のドメインをDNSレコードの更新で接続することも、Shopifyへ移管して管理画面から一元管理することも可能です。BASEは独自ドメインAppで他社取得のドメインへ変更する方式です。

検索向けの設定は、BASEがApp単位でキーワードと説明文を持ち、Shopifyがページごとのタイトルとメタディスクリプションを標準で持つ違いです。テーマのコードまで編集できるのはShopifyで、BASEはHTML編集AppでHTMLとCSSを編集します。

顧客データと注文データの持ち方の違い

上位の比較記事が触れていない差がここです。顧客データを自分の手元に持てるかどうかは、二度目に買ってもらう施策と、将来ほかのサービスへ移るときの自由度を直接決めます。

BASEは顧客情報をダウンロードできない

BASE公式ヘルプの顧客情報のダウンロードに関する回答は、「現状は顧客情報をダウンロードすることができません」という一文です。

購入者はPAY IDのアカウントで買い物をするため、購入者との関係はショップ単位でなくBASE側の仕組みの上に載ります。ショップ側で顧客一覧を持ち出せないという点は、開設前に知っておくべき制約です。

Shopifyは顧客・商品・注文をCSVで書き出せる

Shopifyでは、公式ヘルプのお客様のインポートとエクスポートのとおり、ストアのお客様とその詳細情報をCSVファイルにエクスポートできます。商品も商品のエクスポートでCSVに書き出せ、その用途として新しいShopifyストアへの移行が挙げられているのが特徴です。

リピート施策と将来の移転にどう効くか

顧客一覧を持てると、購入から一定期間後の案内や、買った商品に合わせた提案を自分の判断で送れます。持てない場合に使えるのは、プラットフォームが用意する範囲の通知だけです。

移転の面では、BASEは最終注文日から60日以内は退会できず、売上残高が751円以上あれば先に振込申請が必要と公式ヘルプにあります。グロースプラン契約中は退会できず、スタンダードへの変更は契約期間の終了後に反映されます。

Shopifyは料金ページのよくある質問で、いつでもアカウントをキャンセルできると説明している一方、1年または3年契約のShopify Plusは契約期間の満了後にキャンセルする扱いです。

決済と入金サイクルで生まれるキャッシュフローの差

売れた後にお金がいつ手元に来るかは、仕入れのある商売では利益率と同じくらい効きます。入金の速さと振込にかかる費用を並べます。

決済手段ごとの追加手数料

BASEはPayPay、Amazon Pay、PayPalの決済で決済手数料に1%が加算され、スタンダードなら4.6%と40円、グロースなら3.9%です。

Shopifyは海外カードとAmexがBasicで3.9%、Growで3.85%、Advancedで3.8%と国内カードより高めです。外部決済を使うと、決済会社の手数料とは別にShopifyの取引手数料が乗ります。

決済BASEスタンダードBASEグロースShopify Basic
国内カード3.6%+40円と別途3%2.9%3.55%
海外カード・Amex券種の区別なし券種の区別なし3.9%
PayPay・Amazon Pay・PayPal4.6%+40円と別途3%3.9%外部決済なら決済会社の手数料に2%を加算

入金までの日数と振込手数料

BASEは売上を振込申請してから10営業日で入金され、振込手数料は一律250円、事務手数料は振込額が2万円未満なら500円で2万円以上なら0円です。急ぐ場合はお急ぎ振込1.5%、最速振込3%の別料金があるとBASE公式ヘルプの振込申請の説明に書かれています。

Shopify ペイメントの日本の入金は、Shopify公式ヘルプの支払いのタイミングによると最短5営業日、最低支払額は5円で、日数は営業日だけで数える決まりです。

BASEには売上残高の失効期限があり、BASE公式ヘルプの売上残高の失効期限に関する回答のとおり、入金日から180日間のうちに振込申請かBASEカードでの利用が無ければ失効します。

月に何度も少額を引き出す運用では、BASEの振込手数料250円と2万円未満の事務手数料500円が積み上がります。まとめて申請するか、入金が自動で回るShopify ペイメントかで、手元の現金の回り方が変わります。

デザイン・機能拡張・サポートの比較

見た目と機能の拡張は、始めやすさと伸びしろの交換です。BASEは短時間で形になり、Shopifyは触れる範囲が広い代わりに設定の手数が多い方です。

テーマとカスタマイズの自由度

BASEは有料テーマが80種類以上あり、HTML編集AppでHTMLとCSSを編集できます。Shopifyは200以上の既成テーマから選ぶかゼロから構築でき、テーマコードの編集まで公式に案内されています。

商品の登録上限にも差があり、BASEは1日に登録できる商品数が最大1,000件です。Shopifyは商品登録数が無制限で、1商品あたり最大3つのオプションと2,048件のバリエーションまで持てる仕様です。

アプリと拡張機能の数と費用感

ShopifyのApp Storeには16,000を超えるアプリがあり、定期購入や予約販売、翻訳などを後から足せます。月額の有料アプリを積むと固定費が増え、先の試算で見たようにBASEグロースとの分かれ目が下がります。

BASEの拡張はAppsと呼ばれ、独自ドメインやSEO設定のように無料のものが中心。プラン間で機能に差がないため、有料プランに上げても機能が増えるわけではなく、変わるのは手数料だけです。

始めやすさと試用の条件

BASEのスタンダードは初期費用と月額が0円のため、売れるまで固定費がかかりません。Shopifyは3日間の無料体験のあと3か月間は月額150円で使えると料金ページにあり、その後に通常の月額へ移ります。

サポートの窓口や対応時間は両社とも変更されることがあるため、この記事では固定の説明を置かず、契約前に各公式サイトの案内を確認する前提にしています。

迷ったときは3つの質問で絞る決め方の流れ

機能の一覧を見比べるより、次の3つの質問に順番に答える方が早く決まります。答えが割れたときは、費用より顧客データと半年後の計画を優先してください。

月商と客単価はいくらか

月商が7万円に届かない段階では、月額0円のBASEスタンダードが最も費用が低く、客単価5,000円で実質7.4%です。月商が11万円を超える見込みなら、Shopify Basicの年払いが月3,650円と3.55%で下回ります。

客単価が2,000円前後と低い場合は1注文40円の重みが増し、BASEスタンダードの実質率は8.6%まで上がります。この場合は逆転する月商が約7.2万円まで下がるため、早めにShopifyかBASEグロースを検討する余地があります。

顧客データを自分で持ちたいか

再購入の案内や、将来ほかのサービスへ移る自由度を重く見るなら、顧客をCSVで書き出せるShopifyです。単発の販売が中心で顧客一覧を使う予定がないなら、この差は決め手にならない項目です。

BASEで始めてから顧客データが必要になった場合でも、顧客一覧は持ち出せません。開設時点でこの制約を受け入れるかどうかを決めておくのが、後で悩まないための順番です。

半年後にやりたいことは何か

定期購入や予約販売、海外向けの販売、実店舗との在庫連携をやりたいなら、アプリで足せるShopifyの方が道が用意されています。国内向けに少ない品数を手早く売りたいなら、BASEの立ち上げの速さが効きます。

どちらも独自ドメインは使えるので、後で移るときにURLを変えない準備はできます。ただしショップのURLをサービスの標準ドメインのままにすると、移転時に検索評価が引き継げないため、最初から独自ドメインで始めるのが安全です。

BASEからShopifyへ乗り換えるなら

すでにBASEで運営していて、月商が分かれ目を超えたか顧客データを持ちたくなったなら、乗り換えの手順と移せないデータの線引きはBASEからShopifyへの移行手順と費用の考え方にまとめています。

移行そのものは商品と注文のCSVが中心で、顧客一覧は対象外です。この記事で比べた費用の分かれ目と顧客データの制約は、移行後もそのまま効きます。

比較で失敗しやすい注意点

比較記事を読んで決めたのに、運営を始めてから想定と違ったという相談には共通の型があります。代表的なものが次の3つです。

月額0円だけで決める

BASEスタンダードの費用を決済手数料3.6%だけと読むと、別にかかるサービス利用料3%と1注文40円を見落とします。実際の負担は客単価5,000円で7.4%と、Shopify Basicの3.55%の2倍以上です。

逆にShopifyでも、Shopify ペイメント以外の決済を使うと取引手数料が上乗せされ、その率はBasicで2%、Growで1%、Advancedで0.6%です。どちらも自分が使う決済手段で計算し直してから決めてください。

Shopifyに移れば売れると期待する

集客は移りません。BASEで売れていない原因が来店数の不足なら、Shopifyへ移っても数字は動かず、月額と設定の手間だけが増えます。

移る意味があるのは、費用の分かれ目を超えた場合と、顧客データや拡張機能が売り方を制限している場合です。原因を集客と仕組みに分けてから判断してください。

途中で乗り換えたときに戻せないもの

BASEからの移転では顧客一覧を持ち出せず、最終注文日から60日以内は退会もできません。売上残高が751円以上あれば振込申請を先に済ませる必要があり、グロース契約中は退会できないため、乗り換えの日程は契約更新日から逆算します。

サービスの標準ドメインで運営していた場合、URLが変わるため検索評価も引き継げません。どちらで始めるにしても、独自ドメインを最初から使うことが、後から戻せない損失を避ける一番の備えです。

BASEとShopifyの比較でよくある質問

BASEとShopifyはどちらが売れますか?

売れる量を決めるのは集客で、どちらを選んでも自動的には変わりません。

違うのは残る利益と顧客データの持ち方で、月商が11万円を超えるとShopify Basicの年払いが費用で下回ります。

来店数が足りない段階では、月額0円のBASEで始めて集客に集中する方が損をしません。

月商いくらからShopifyの方が安くなりますか?

標準のカード決済だけなら、BASEスタンダードからShopify Basicの年払いへ逆転する月商はおよそ7万円から11万円です。

客単価2,000円で約7.2万円、10,000円で約10.6万円と、客単価が低いほど早く逆転します。

決済の加算やアプリ費用がある場合は、記事の式で計算し直してください。

BASEの顧客データはShopifyに移せますか?

移せません。BASE公式ヘルプは顧客情報をダウンロードできないと明記しています。

移せるのは商品と注文のCSVが中心で、顧客一覧は移行後に改めて集め直すことになります。

BASEグロースとShopify Basicはどちらが安いですか?

標準のカード決済だけで年払い同士なら、月商およそ200万円まではBASEグロースよりShopify Basicが安くなります。

ただしPayPayなどの1%加算が注文の3割あれば約369万円、PAY IDアプリ経由の注文が8.8%を超えると逆転しません。

決済の内訳で分かれ目が数百万円動くため、自分の割合で計算するのが安全です。

独自ドメインは両方で使えますか?

どちらでも使え、Shopifyは既存ドメインの接続と移管の両方に対応し、BASEは無料の独自ドメインAppで変更できます。

標準ドメインのままだと移転時にURLが変わり、検索評価を引き継げません。

どちらで始める場合も、開設時から独自ドメインにしておくのが後悔しない設定です。

自分の条件で計算してから選ぶ

売れる量はどちらを選んでも集客しだいで、プラットフォームが変えるのは残る利益と二度目の売れやすさです。月商と客単価を式に入れて費用を出し、顧客データを持ちたいかと半年後の計画で決めれば、迷いは3つの質問に収まります。

  1. 月商と客単価を決め、3本の式で月の費用を出す
  2. BASEスタンダードは6.6%と1注文40円、Shopify Basicは年払いで3,650円と3.55%で比べる
  3. 自分が使う決済手段の割合を入れて、分かれ目を計算し直す
  4. 顧客データを自分で持ちたいかを決める
  5. 半年後にやりたい機能があるかを確かめる
  6. どちらで始めても独自ドメインで開設する
  7. 契約前に両社の料金ページを開き直し、現在の表示を確認する
直営EC年商1億円 通算売上3億円 構築実績100件

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この記事の執筆者

ShopiCrew ライターチーム

私たちは直営ECで年商1億円超を運営しながら、これまでに100件超のShopifyストア構築を手がけてきたチームです。自社でも店舗を運営しているからこそ分かる、売上に直結する設定や運用の勘所を、実務目線で記事にしています。通算売上実績は3億円超。現場で得た知見をもとに、実際に手を動かせる情報だけをお届けします。