BASEからShopifyへ移行するべき?費用と手順を比較解説

BASEからShopifyへの移行では、「本当に安くなるのか」「顧客データは引き継げるのか」「どれくらい時間がかかるのか」が最初の関心事になります。

この記事では公式に公開されている料金で費用を計算し直し、移せるデータの線引き、手順、そして解約までのスケジュールの制約まで順に整理します。

BASE以外のサービスからの移行や、複数のサービスを比較しながら検討したい場合は、主要サービスを横断して比較したガイドもあわせてご覧ください。

この記事の要点

  • 費用の分かれ目は、スタンダードからは月商およそ10万円、グロースからはおよそ200万円
  • 商品と注文はCSVで移せる。顧客の一覧は書き出せない
  • 商品の新規登録は1日あたり最大1,000件。商品数が多いショップは日程に直結する
  • 公式の移行アプリは提供終了済みで、手作業のCSV移行が基本
  • 退会できるのは最終注文日から60日後。売上残高の振込申請を先に済ませる

BASEとShopifyの違いを費用・機能・カスタマイズで見る

両者は料金の作りが違うため、月額だけを並べても比べられません。売れている規模しだいで有利不利が入れ替わります。

BASEの手数料は決済3.6%とサービス利用料3%の合計

BASEのスタンダードプランは初期費用も月額も0円ですが、売れたときに2つの費用がかかります。

決済手数料が3.6%と40円、これとは別にサービス利用料が3%です。合わせると実質6.6%と40円になります。

この2つを合算せずに見ると、実際の負担を半分近く低く見積もることになります。

グロースプランは月額がかかる代わりに、決済手数料が2.9%でサービス利用料はかかりません。

項目スタンダードグロース
初期費用0円0円
月額0円19,980円(年払なら月16,580円)
決済手数料3.6% + 40円2.9%
サービス利用料3%0円
合わせた率6.6% + 40円2.9%

PayPayやAmazon Pay、PayPalを使う場合は、どちらのプランでも決済手数料に1%が加わります。

グロースには例外があります。BASEの購入者向けアプリを経由した注文は、決済3.6%と40円にサービス利用料5.9%が加わる扱いです。

出典:BASE公式の料金ページ。料金は改定されることがあるため、契約前に最新の表示を確認してください。

Shopifyはプラン料金と決済手数料

Shopifyは月額のプラン料金があり、そこに決済手数料が乗ります。サービス利用料にあたるものはありません。

プラン月額(年払)標準カード他社決済を使う場合
Basic3,650円3.55%2%
Grow10,100円3.4%1%
Advanced44,000円3.25%0.6%

月払にすると Basic は4,850円、Grow は13,500円、Advanced は58,500円になります。

American Express と海外カードは率が別で、Basicが3.9%、Growが3.85%、Advancedが3.8%です。

なお公式の料金ページには、税込か税別かの表記がありません。BASE側もグロースの年払以外は表記が無いので、厳密に比べたい場合は問い合わせが要ります。

出典:Shopify公式の料金ページ。同じく改定されることがあるため、最新の金額で確認してください。

月商別に費用を並べるとどうなるか

条件をそろえて計算します。平均注文単価は5,000円、決済は標準カードのみ、Shopifyは年払でShopify Paymentsを使う前提です。

アプリやオプションの費用は含めていません。税の扱いは表記が非対称なので考慮していません。

月商BASEスタンダードBASEグロースShopify Basic
30万円約22,200円約25,280円約14,300円
50万円約37,000円約31,080円約21,400円
100万円約74,000円約45,580円約39,150円
200万円約148,000円約74,580円約74,650円
300万円約222,000円約103,580円約110,150円

数字を概算としているのは、税区分と決済手段の内訳を固定していないためです。BASE側は税込の表記があるのがグロースの年払だけで、Shopify側は表記がありません。

PayPayなど1%加算の決済が混ざる比率でも動きます。実額はここから数千円ずれると考えてください。

計算に使ったのは、いずれも両社が公表している現行の価格です。改定があれば分かれ目も動くので、下の式にご自身の条件を入れて確かめてください。

どこで費用が逆転するのか

スタンダードプランを使っているなら、月商およそ10万円を境にShopifyのほうが安くなります。

合わせた率が6.6%と40円、Shopifyが3.55%なので、その差およそ3.9ポイントが売上に比例して効いてきます。

Shopifyの月額3,650円をこの差で割った金額が、分かれ目のおよそ9.5万円です。

ところが比べる相手をグロースにすると、景色が変わります。

標準カードのみ、年払い、アプリ費用を除いて決済まわりだけを並べると、グロースは月商およそ200万円を超えたあたりからShopifyのBasicより安くなります。

ただしPayPayなど1%加算の決済が多い場合や、購入者向けアプリ経由の注文が1割ほどある場合は、この分かれ目は数百万円単位で動くか、そもそも成り立ちません。

いまどちらのプランを使っているかで、結論は変わります。

自分の条件で計算し直す方法

料金は改定されます。ここでは式そのものを載せるので、自分の数字で確かめてください。

月商をS、平均注文単価をたとえば5,000円として、次の3本で比べられます。

  • BASEスタンダード = S × 0.066 + 40 × (S ÷ 単価)
  • BASEグロース = 16,580 + S × 0.029
  • Shopify Basic = 3,650 + S × 0.0355

2つの式が等しくなる月商が、費用の分かれ目です。表計算に入れれば数分で出せます。

アプリ費用を入れると分かれ目はどう動くか

上の試算はアプリの費用を除いていますが、移行してアプリを1つも入れない店はほとんどありません。

前提を1つ変えるだけで分かれ目は大きく動きます。目安を並べます。

変える前提グロースとの分かれ目
上の条件どおり約200万円
月5,000円のアプリを1本入れる約122万円
グロースを月払にする約251万円
Shopifyを月払にする約180万円
1%加算の決済が注文の3割約369万円
購入者向けアプリ経由が注文の1割弱逆転しない

動かし方は1本の式で書けます。分かれ目 = (BASEの月額 − Shopifyの月額)÷ (Shopifyの率 − BASEの率)です。

  • 上の条件どおり: (16,580 − 3,650) ÷ (0.0355 − 0.029) = 約199万円
  • 月5,000円のアプリを1本入れる: Shopify側が 3,650+5,000=8,650円になるので (16,580 − 8,650) ÷ 0.0065 = 約122万円
  • 1%加算が3割: (16,580 − 3,650) ÷ (0.0355 − 0.032) = 約369万円

この試算はShopify側を標準カード決済のままとした前提です。PayPayなど外部決済をShopifyでも使う場合は追加の料率がかかるため、分かれ目は変わります。

分子は月額の差、分母は率の差です。アプリ費用は分子を縮め、1%加算は分母を縮めます。

幅で見ておくのが安全です。おおむね120万円から370万円のどこか、と捉えてください。

自店で確かめるなら、決済手段の内訳と、入れる予定のアプリの月額を先に出してください。その2つを式に入れれば自分の分かれ目が出ます。

機能とカスタマイズの違い

BASEは必要な機能をアプリで足していく作りで、初期の立ち上げが速いのが利点です。

Shopifyはテーマのコードまで踏み込めるため、見た目と導線の作り込みに幅があります。

多通貨や多言語での販売も、Shopify側は標準の機能として持っています。

BASEからShopifyへ移行すべきタイミング

費用の次に見るのは、いまの運用がどこで詰まっているかです。詰まっていないなら急いで移る理由はありません。

手数料が利益を圧迫してきたとき

スタンダードのまま月商が数十万円を超えているなら、合わせて6.6%の負担が効いてきます。

この場合はグロースへの変更と、Shopifyへの移行の両方が選択肢になります。

商品数やバリエーションが増えて管理が回らないとき

商品数が増えると、一覧の絞り込みや一括更新の使い勝手が効いてきます。

色とサイズの組み合わせが多い商材では、在庫の持ち方そのものが運用の負担になります。

越境ECやブランド表現を広げたいとき

海外への販売やテーマの作り込みを進めたい段階では、拡張の余地が判断材料になります。

多通貨での表示や言語の切り替えは、Shopify側が標準の機能として持っています。

逆に国内向けで完結していて見た目にも不満が無いなら、移行の効果は限定的です。

BASEのまま続けたほうがよいケース

月商が10万円に届かない段階では、月額0円で始められる利点のほうが大きくなります。

すでにグロースを使っていて月商が分かれ目を超えている場合も、費用だけを理由に移ると増えます。標準カード中心で、アプリをあまり入れない構成ほどそうなります。

作業時間も切り替えのリスクもかかります。理由が無いなら動かさないほうが得です。

BASEからShopifyへ移せるデータ・移せないデータ

移行の作業量は、何が移せて何が移せないかで決まります。ここを先に把握すると、後の手戻りが減ります。

データ移せるか方法と注意
商品移せるCSVで書き出し、Shopify用に整えて取り込む
注文移せる注文データダウンロードAppでCSVとして取り出す
顧客書き出せない注文データに含まれる情報から組み直す
会員・パスワード移せないBASE側のアカウントに紐づくため登録し直してもらう
カテゴリ作り直しShopifyのコレクションとして設計し直す
画像手順が異なるBASEはZIP、Shopifyは公開URLを参照する
ブログなどのページ手作業本文を移し替える

商品データは移行できる

BASEのCSV商品管理を使うと、登録済みの商品をCSVとして書き出せます。

書き出したあと、Shopifyの形式に合わせて整える作業が入ります。主に触るのは次の項目です。

  • 商品名と説明文(HTMLの扱いが違うので崩れを確認する)
  • 価格と在庫数(税込のまま移す)
  • バリエーション(色・サイズなどの組み合わせ)
  • 商品画像(BASEはファイル名、Shopifyは公開URL)
  • 公開・非公開の状態

BASEのCSV商品管理では件数に上限があり、新規登録は1日あたり最大1,000件までです。1つのファイルの上限も1,000件のため、ファイルを分けても同日中の合計は1,000件までとなります。更新は10,000件まで、ファイルは10MBまでです。

商品数が多いショップでは、この上限が作業日数に直結します。

注文データはCSVで書き出せる

注文データダウンロードAppを使うと、注文の記録をCSVで取り出せます。

これは注文の一覧であって、顧客台帳の形にはなっていません。

顧客情報はBASEからダウンロードできない

ここが移行でいちばん影響の大きい制約です。BASEの公式ヘルプは、顧客情報をダウンロードできないと明記しています。

そのため移行後の顧客リストは、注文CSVに含まれる氏名や住所から組み直すことになります。

購入履歴のない会員は注文CSVに現れないので、その分は引き継げません。

標準の機能では顧客の一覧を取り出せません。移行の手順を組むときは、この前提から始めます。

移行を決めたら、早い段階でメールでの連絡手段を確保しておくと安全です。手当てとしては次の3つが現実的です。

  • 移行の前に、注文データを書き出して手元に保管しておく
  • メールマガジンなど、ショップの外に連絡先を持つ仕組みを先に作る
  • 移行後は新しいストアでの登録を案内し、初回の特典などで登録を促す

会員登録とパスワードはBASE側のアカウントに紐づく

BASEの購入者アカウントは、ショップごとの会員ではありません。BASEが発行するアカウントに紐づいています。

ショップが会員を保有していない構造だと考えてください。パスワードの引き継ぎ以前の話になります。

移行後は新しいストアで登録し直してもらう前提で、案内を用意します。

継続課金(定期購入)は支払い情報ごと作り直しになる

継続課金を運用している店は、商品や注文より先にここを設計してください。

Shopifyの公式ヘルプは、サブスクの支払い情報を移行できる決済会社をStripe・Braintree・PayPal Express・Authorize.netの4つに限定して挙げています。BASEの決済はこの一覧に含まれていません。

支払い方法が引き継がれない契約では、顧客に新しい支払い方法を登録してもらう流れになると開発者向けの公式文書にも書かれています。移行日程の告知と再登録の案内ページを、計画の早い段階で用意しておきましょう。

カテゴリはコレクションとして作り直す

BASEのカテゴリとShopifyのコレクションは、考え方が異なります。

条件で自動的に商品を集める作りにもできるので、移行を機に整理すると運用が軽くなります。

商品画像はBASEから一括ダウンロードできるか

BASEでは画像をZIPにまとめ、CSVにはファイル名を書いて取り込む方式です。ZIPは1GBまでとなっています。

Shopifyは方式が違い、CSVの画像の列に公開URLを書きます。画像ファイルそのものは取り込めません。

この差があるため、画像はどこかに公開した状態で置いてから取り込むことになります。

ブログや固定ページは手作業で移す

記事や固定ページに自動の移行手段はありません。本文を手で移すことになります。

検索から流入のあるページは、後述の転送設定とあわせて計画してください。

BASEからShopifyへの移行方法3つと選び方

やり方は大きく3つです。商品数と注文数、それに社内でどこまで手を動かせるかで選びます。

方法向いている規模注意
移行アプリBASE向けのアプリは提供が終了している
移行ツール・代行商品数が多い場合費用がかかる。対応範囲を先に確認する
CSVで手作業商品数が少ない場合上限があるので回数が増える

移行アプリはすでに提供が終了している

かつてはBASEのデータをShopifyへ取り込むアプリがありました。現在はアプリストアで提供されていません。

いま新規に導入することはできません。

残る選択肢は次の2つです。

移行ツール・代行サービスを使う

データの変換に対応した外部サービスを使う方法です。商品数や注文数が多いほど効果があります。

依頼する前に、顧客情報が対象外である点を共有しておくと認識のずれが起きません。

CSVで手作業移行する

BASEからCSVを書き出し、Shopifyの形式に整えて取り込みます。追加の費用はかかりません。

ただし新規登録は1日あたり1,000件までのため、1,000件を超える分は日をまたいで登録する必要があります。

商品数と注文数から選ぶ目安

商品数が数百までなら手作業で十分に回ります。それを超えると、整形の手間が急に増えるでしょう。

注文の履歴を残したい場合も、件数が多いなら外部サービスの検討が現実的です。

独自ドメインの有無で移行の設計が変わる

BASEで独自ドメインを使っている場合、そのドメインをShopifyへ向け直せます。

BASE標準のURLのまま運用してきた場合は事情が変わります。検索評価の章で扱います。

BASEからShopifyへの移行手順【6ステップ】

作業の順番は決まっています。データを先に整え、見た目と設定を作り、最後にドメインを切り替えます。

  1. BASEから商品と注文のデータをCSVで書き出す
  2. Shopifyの形式に合わせてCSVを整える
  3. Shopifyへ取り込み、件数と内容を突き合わせる
  4. テーマを選び、デザインとページを整える
  5. 決済と配送を設定し、テスト注文で確かめる
  6. ドメインを切り替えて公開する

STEP1 BASEから商品・注文データを書き出す

管理画面のAppsからCSV商品管理を開き、登録済みの商品を書き出します。注文は注文データダウンロードAppを使います。

画像はZIPで別に扱うので、あわせて回収しておきます。

STEP2 Shopify用にCSVを整える

列の名前と並びがそのままでは合いません。Shopify側のテンプレートに合わせて置き換えます。

画像は公開URLを書く形式なので、ここで置き場所を決めておきます。

STEP3 Shopifyへインポートする

取り込んだら件数を必ず突き合わせます。エラーで落ちた行があっても、途中までは登録されるためです。

在庫数と価格は目視でも数件確かめておくと安全です。

STEP4 テーマとデザインを整える

テーマを選び、トップページと商品ページの見え方を整えます。

特定商取引法にもとづく表記など、必須のページもここで用意します。

STEP5 決済と配送を設定する

決済手段を有効にし、配送料の条件を作ります。BASEと考え方が違う部分があるので、後の章で詳しく扱います。

設定が終わったらテスト注文を通し、注文確認メールまで確かめます。

STEP6 ドメインを切り替えて公開する

最後にドメインをShopifyへ向け、公開します。切り替えの直後は注文と在庫の動きを注意して見てください。

移行にかかる期間と工数の目安

作業そのものと、解約まで含めた期間は別に考える必要があります。

データの整形にかかる時間

商品数が数百なら数日、数千あるなら上限の関係で分割が増え、1週間以上を見ておきます。

時間がかかるのは書き出しではなく、列の対応づけと画像の置き場所を決めるところです。

一度対応表を作ってしまえば、残りは同じ作業の繰り返しになります。最初の1ファイルに時間をかけるほうが結果的に速く終わります。

カテゴリとデザインの作り直し

カテゴリの設計とテーマの調整は、こだわるほど時間がかかる部分です。

先に公開して、見た目は運用しながら整える進め方もあります。

テストと切り替え

テスト注文と各種メールの確認に数日、切り替えの当日と直後の見守りに数日をみます。

切り替えの日は、注文が少ない曜日と時間帯を選びます。繁忙期に当てると、不具合が出たときの影響が大きくなります。

当日は在庫と注文の動きを見ながら、問い合わせにすぐ返せる体制にしておきます。

解約まで含めると最短でも2か月

BASEは最終注文日から60日が経過するまで退会できません。

最後の注文が入った日から2か月間、BASE側のショップは残ります。

これは作業の遅れではなく仕様上の制約です。計画の時点で織り込んでください。

BASEからShopify移行でよくある失敗と対処法

つまずく箇所はある程度決まっています。先に知っておくと、原因を探す時間を減らせます。

CSVインポートで止まるパターン

Shopifyのインポートにはファイルサイズや形式の条件があります。表計算ソフトで並べ替えたファイルは、行の対応が崩れることがあります。

一度始めたインポートは途中で止められないので、少ない件数で試してから本番に進みます。落ちやすいのは次の箇所です。

  • ファイルの文字コードが合っていない
  • 必須の列が空になっている
  • バリエーションの組み合わせが欠けている
  • 画像のURLが公開されていない

CSVはUTF-8のまま扱う(保存形式で文字化けする)

Shopifyの公式ヘルプは、取り込みと書き出しに使えるのはUTF-8形式のCSVだけと明記しています。BASEから書き出したファイルも、この形式のまま扱うのが原則です。

事故が起きやすいのは編集の場面です。表計算ソフトの保存形式によっては文字コードが変わり、商品名や説明文が文字化けした状態で取り込まれます。

列の加工にはUTF-8を保てる保存形式を選び、まず数件だけ試し取り込みをして文字化けを先に見つけてください。

Option列を欠くと既存のバリエーションが黙って消える

もう1つ怖いのは、エラーにならずに通ってしまう失敗です。

Shopifyの公式ヘルプによると、Option1の名前と値の列を含めずに商品を取り込むと、新しい既定のバリエーションが作られ、既存のバリエーションは削除されます。止まってくれないぶん、気づくのが遅れます。

在庫やSKUの列だけ直したいときも、Option列は必ず残したまま取り込んでください。

画像が取り込めない・リンク切れになる

画像の取り込みで失敗する原因の多くは、URLの書き方と公開状態です。

誰でも見られる場所に置かれているか、URLが正しいかを先に確かめます。

バリエーションは組み合わせの上限で欠ける

Shopifyのバリエーションはオプション3種まで、組み合わせの総数は1商品あたり2,048通りまでです。

色とサイズと素材のように軸が多い商材では、掛け算で総数が膨らみます。取り込みの前に組み合わせの数を数えておくと安全です。

取り込みでは、1つでも情報が欠けている行が弾かれます。元データの段階で空欄を埋めておきます。

ドメイン移管でメールが止まる

独自ドメインでメールを受け取っている場合、ドメインの向き先を変えるとメールが届かなくなることがあります。

Shopifyはメールの受信を提供していないためで、メール用の設定は自分で持ち続ける必要があります。

安全なのは、ウェブの向き先だけをShopifyへ変え、ドメインの管理そのものは今の事業者に残す進め方です。

問い合わせ用のアドレスが止まると、移行の直後にいちばん困ります。

戻せる失敗と戻せない失敗

取り込みの失敗は消して入れ直せます。戻せないのはBASE側の削除です。

退会するとショップは元に戻せません。Shopify側が動いていることを確かめてから進めてください。

移行でSEO評価を引き継ぐ方法

検索からの流入がある場合、切り替えの設計しだいで順位が落ちます。ここは事前に決めておく部分です。

リダイレクト元に指定できるのはパスだけ

Shopifyの管理画面にはURLリダイレクトの機能があります。ただし転送元に書けるのは、Shopifyに届くパスです。

旧サイトのアドレスをそのまま貼ると、パスを入力するよう求められます。

つまずくのは、転送元の欄にドメインから始まるURLを貼ったときです。ここに入れられるのはパスだけです。

なお転送が効くのは、存在しなくなったURLに対してだけです。いま表示できるページには効きません。

独自ドメインを使っている場合

独自ドメインをShopifyへ向け直せば、旧サイトのパスはShopifyに届きます。

この場合はパスを指定して転送を設定でき、評価も引き継ぎやすくなります。

BASE標準のURLのままの場合

標準のURLで運用してきた場合、そのアドレスはShopify側から操作できません。

対応はBASE側で行うことになるため、公開ページに案内を残す方法などを検討します。

タイトルタグと説明文の再設定

移行するとタイトルと説明文は初期値に戻ります。流入のあるページから順に設定し直します。

サイトマップとSearch Consoleの設定

公開したらサイトマップを送信し、インデックスの状況を追います。

切り替え直後は表示回数が一時的に落ちることがあります。数週間の推移で判断してください。

Shopify移行後の決済・送料の再設計

決済と送料は、移行で設計をやり直す必要が出やすい部分です。

決済手段はそのまま引き継げない

決済の契約は移行できません。移行先で申し込み直す形になります。

Shopifyの標準決済が扱うのはカードと一部のウォレットで、コンビニ払いや後払いは外部の決済代行が要ります。

BASEで使っていた手段のうちどれが必要かを先に整理しておくと、設定が短く済みます。

Shopifyの送料条件は金額と重量の2軸

Shopifyの定額配送料は、既定で注文につき1回だけ適用されます。

条件を付ける場合も、使えるのは注文金額と重量です。個数という軸はありません。

BASEの個数別送料はShopifyの標準機能にない

BASEには送料を個数別に設定する機能があり、公式ヘルプに設定例まで載っています。

同じ考え方をShopifyの標準機能だけで再現することはできません。

個数課金だったショップの作り直し方

商品ごとに送料を足していた場合、重量で条件を作り直すのが基本の方針になります。

商品に重量を登録し、重量帯で送料を分ける形です。それでも合わない場合は外部のアプリを検討します。

移行の前に、いまの送料設定を一度書き出しておくと再設計が早く済みます。順番はこうなります。

  • いまの送料の条件をすべて書き出す(個数・地域・商品ごとの例外)
  • 商品に重量を登録する
  • 重量帯ごとに送料を作り、実際の注文で検算する
  • それでも合わない条件だけ、外部のアプリで補う

配送日時の指定はアプリかテーマの改修で足す

BASEでは配送日設定Appを入れると、購入者が希望の配送日と時間帯を選べます。公式ヘルプに設定の流れが載っている、日本の店ではおなじみの機能です。

Shopifyの公式ヘルプがこの用途に案内しているのは、カートページへカレンダーを追加するテーマ改修の手順です。管理画面の設定だけで済む形にはなっていません。

同じ買い物体験を保ちたい場合は、配送日時指定のアプリを入れるか、テーマの改修で足すことになります。どちらで行くかを移行前に決めておくと、公開直前に慌てずに済みます。

移行直後につまずくShopify特有の初期設定

海外生まれのサービスなので、日本向けに直す箇所がいくつかあります。

氏名の並びが欧米式になる

初期状態では名が先、姓が後の順で表示されます。伝票や宛名でそのまま出ると違和感が残ります。

注文の一覧や配送ラベルにも同じ並びで出るため、発送のオペレーションにも影響します。

公開前にテスト注文を1件通し、実際の表示を目で確かめておくのが早いです。

自動送信メールを公開前に確かめる

注文確認や発送通知のメールは、文面が英語のまま残っていることがあります。

テスト注文を通して、実際に届く文面を1通ずつ読んでおきます。

税込の総額表示にする

国内では税込の総額表示が求められます。税別で価格を入れると表示が変わってしまいます。

移行の際は、税込のまま金額を移し替えるのが安全です。

与信の期間が短い

カード決済の与信には期限があり、期限を過ぎると決済をやり直す必要が出ます。

予約販売や受注生産のように出荷までが長い商材では、運用の設計に影響します。

テーマやアプリに英語が残る

まず言語の設定を日本語にし、それでも残る箇所を個別に置き換えます。

順番を逆にすると、置き換えた文言が上書きされて二度手間になります。

自社で移行するかプロに依頼するか

どちらが正解ということはありません。商品数と、社内で使える時間で決まります。

自社でやる場合に必要な体制

CSVの編集に慣れた担当者が1人いれば、商品数が数百までは自社で回ります。

必要になるのは、次のような作業です。手が届くかを先に確かめてください。

  • 表計算ソフトで列を並べ替え、文字コードを指定して保存する
  • 画像をまとめて公開できる場所に置く
  • ドメインの設定画面で向き先を変更する
  • テーマの設定を触り、必要なら簡単なコードを直す

ドメインの切り替えだけは戻しにくいので、手順を書き出してから実行します。

依頼する場合の範囲と費用の考え方

費用は依頼する範囲で大きく変わります。データの移行だけか、デザインの作り込みまで含むかが分かれ目です。

見積もりを比べるときは、どこまでが範囲かを同じ条件でそろえて聞きます。範囲の切り方は次のとおりです。

  • データの移行だけ(商品・注文の書き出しと取り込み)
  • 既製テーマの設定まで(デザインは作り込まない)
  • テーマの作り込みまで(見た目と導線を設計する)
  • 移行後の運用支援まで(集客や改善を含む)

同じ範囲でそろえないと、金額だけを見て安いほうを選んで後から追加になります。

依頼する前に共有しておくこと

顧客情報が書き出せない点は、先に伝えておくと前提がそろいます。

使っている決済手段と送料の設定も、最初に渡すと見積もりが正確になります。

BASEとShopifyを並行運用しながら切り替える

退会まで最短でも60日かかるため、両方を持つ期間が必ず生まれます。

在庫と注文の二重管理を避ける

両方で販売を続けると、在庫の食い違いが起きます。

Shopifyが動いたらBASE側は公開を止め、注文を受けない状態にしておくのが安全です。

BASEの解約は最終注文日から60日後

退会の手続きは、最終注文日から60日が経つまで行えません。

この間はショップを非公開にして、注文が入らない状態で待ちます。

売上残高は先に振込申請する

売上残高が751円以上ある場合は、振込先を確認したうえで申請を済ませてから退会します。

退会したあとは振込の申請も口座の変更もできません。ここは戻せない操作です。

移行期間中に売上は落ちるのか

切り替えの直後は、検索からの流入が一時的に下がることがあります。

常連客への案内を先に出しておくと、落ち込みを小さくできます。

BASEからShopifyへの移行に関するよくある質問

BASEとShopifyはどちらが売れますか?

売れるかどうかを決めるのは、カートの種類ではありません。集客と商品ページの作り込みです。

ただし打ち手の幅は変わります。Shopifyはテーマのコードまで触れて、アプリで機能を足せるので、購入までの導線を作り込めます。BASEは初期の立ち上げが速い代わりに、細かい調整の余地が限られます。

いま売上が伸び悩んでいる原因が導線の作り込みにあるなら、移行は効きます。集客そのものが足りていない場合、移行しても数字は動きません。

BASEの商品データはCSVでShopifyに移せますか?

移せます。BASEのCSV商品管理から書き出し、Shopifyの形式に列を合わせて取り込む流れになります。

ただし件数の上限があります。BASE側は新規登録が1日あたり1,000件まで(1つのファイルの上限も1,000件)、更新は10,000件まで、ファイルは10MBまでです。Shopify側にも取り込むファイルのサイズ制限があります。

商品が1,000点を超えるショップでは、1日1,000件の上限に沿って複数日に分けて登録する前提で日程を組んでください。

BASEの商品画像はまとめてダウンロードできますか?

BASE側はZIPにまとめて扱う方式で、CSVにはファイル名だけを書きます。ZIPの上限は1GB。

一方のShopifyは、CSVの画像の列に公開URLを書く方式です。画像ファイルそのものは取り込めません。

この差があるため、画像はいったん誰でも見られる場所に置いてから取り込むことになります。ここを見落とすと、取り込みで画像だけが欠けます。

顧客データも一緒に移行できますか?

顧客の一覧は書き出せません。BASEの公式ヘルプに、ダウンロードできない旨が明記されています。

取り出せるのは注文データダウンロードで得られる注文のCSVです。氏名や住所はそこに含まれるので、注文の記録から顧客リストを組み直すことになります。

購入履歴のない会員は注文のCSVに現れないため、その分は引き継げません。移行を決めたら、早めにメールでの連絡手段を確保しておくと安全です。

移行にはどれくらいの期間がかかりますか?

作業そのものは商品数しだいで、数日から数週間。時間を食うのはデータの整形とカテゴリの作り直しです。

ただし解約まで含めると話が変わります。BASEは最終注文日から60日が経過するまで退会できないため、最後の注文から最短でも2か月はBASE側のショップが残ります。

スケジュールは、この60日を織り込んで組んでください。

制作会社に依頼すると費用はどれくらいですか?

依頼する範囲しだいです。データの移行だけを頼む場合と、テーマの作り込みまで含む場合とでは桁が変わることもあります。

見積もりを比べるときは、範囲を同じ条件でそろえて聞いてください。データの移行だけか、既製テーマの設定までか、テーマの作り込みまでか、移行後の運用支援までかの4段階で切ると比較しやすくなります。

依頼する前に、顧客情報が書き出せない点と、いま使っている決済手段・送料の設定を共有しておくと、見積もりが正確になります。

BASEはいつ解約すればいいですか?

Shopify側が動いていることを確かめてからにしてください。削除したBASEのショップは元に戻せません。

手順としては、まずBASEを非公開にして注文を受けない状態にします。売上残高が751円以上ある場合は、振込先を確認したうえで振込申請を済ませてください。退会したあとは振込の申請も口座の変更もできません。

そのうえで、最終注文日から60日が経過したら退会の手続きに進みます。

まとめ:移行チェックリスト

費用は月商とプランの組み合わせで決まり、移せるデータは商品と注文が中心です。この前提を踏まえて、判断から解約までの流れを順に並べます。

  1. いま使っているプランを確認し、式に自分の月商を入れて費用を比べる
  2. 移行の理由が費用以外にもあるかを確かめる
  3. 移せないもの(顧客情報・会員・カテゴリ)を洗い出す
  4. 商品数と注文数から移行の方法を決める
  5. 商品と注文を書き出し、Shopify用に整えて取り込む
  6. 決済と送料を組み直し、テスト注文で確かめる
  7. ドメインを切り替えて公開し、転送とサイトマップを設定する
  8. BASEを非公開にし、売上残高を振込申請する
  9. 最終注文日から60日が過ぎたら退会する

費用だけで決めるなら、いまのプランと月商を先に確かめてください。結論が変わります。

直営EC年商1億円 通算売上3億円 構築実績100件

Shopifyの構築・移行、まずは無料でご相談ください

デザイン設計から機能実装、既存カートからの移行まで。自社EC運営で培った実務目線で、要件整理の段階からご相談いただけます。

無料相談・お見積りはこちら

この記事の執筆者

ShopiCrew ライターチーム

私たちは直営ECで年商1億円超を運営しながら、これまでに100件超のShopifyストア構築を手がけてきたチームです。自社でも店舗を運営しているからこそ分かる、売上に直結する設定や運用の勘所を、実務目線で記事にしています。通算売上実績は3億円超。現場で得た知見をもとに、実際に手を動かせる情報だけをお届けします。