eBayからShopifyへ移行する手順と移せるデータの範囲

eBayで越境販売をしながら、自社ECへ軸足を移すか迷う場面があります。判断の前に、何が移せて何が移せないかを押さえておく必要があります。

この記事では両者の手数料を公式ページの値で示し、そのうえでデータの持ち出し方を扱います。取り込みの制約と、移行後につまずきやすい点までを順に整理。

eBay以外のサービスからの移行も見比べたい場合は、主要サービスを横断して比較したガイドで費用やデータ移行のしやすさを確認できます。

この記事の要点

  • eBayは日本向けページで落札手数料が13.25%、注文ごとに0.30ドルか0.40ドル、越境では海外決済手数料1.35%が加わる
  • Shopify Basicはオンラインの標準カードが3.55%、海外発行のカードが3.9%で、月額4,850円がかかる
  • eBayからの持ち出しはSeller Hubのレポートタブ。ソースは注文・出品・マーケティングから選ぶ
  • 書き出したCSVはそのまま取り込めず、Shopifyの商品テンプレートに合わせて列を対応づけて整える
  • 顧客のパスワードは公式が「移行できない」と明記し、レビューは直接の書き出しができず外部アプリの案内になる
  • 注文履歴はeBayから書き出せる。Shopifyへの取り込みは公式がApp Storeの外部移行アプリを案内している

eBayとShopifyの違いは費用の性質と集客の持ち方

eBayはバイヤーが最初からいる場所を借りる形、Shopifyは自分の店を建てる形です。かかる費用の性質も、集客の持ち方も変わります。

この節ではShopify側の公式料金と、集客の持ち方を示します。eBay側の手数料は次の節にまとめました。

移行の判断は軸足をどちらに置くかの話になる

eBayが担っていた集客を自社ECでどう置き換えるかは、公式の料金表からは出てきません。費用の話とは別に、この問いを立てる必要があります。

そのため移行の判断は、eBayをやめるかどうかではなく、軸足をどちらに置くかの話になります。売上の入り口がeBayの検索なのか指名なのかを、先に数えてください。

Shopifyの料金はプランで変わり海外カードは下がり幅が小さい

Shopifyの料金はプランで動きます。料金ページには標準のカード料率と海外カード料率が別の行で載っていて、下がり幅が違います。

プラン月払年払(1か月あたり)標準カード海外カード
Basic4,850円3,650円3.55%3.9%
Grow13,500円10,100円3.4%3.85%
Advanced58,500円44,000円3.25%3.8%
Plus368,000円〜記載なし公式ページで表示が変わるため要確認公式ページで表示が変わるため要確認

越境で効くのは右端の海外カードの列です。BasicからAdvancedまで上げても下がるのは0.10ポイントで、標準カードの0.30ポイントより小さくなります。

表の4行はいずれもShopify公式の料金ページの表示によります。

日本登録セラーの場合のeBayとShopifyの手数料

この節のeBay側の率は、eBay公式の日本向け手数料ページ(ebay.co.jp)にある値です。日本に登録住所を置くセラーへ向けて示されています。

eBay側は販売のたびに率と固定額が引かれます。Shopify側は月額の利用料と、決済のカード料率という形です。

eBay側は落札手数料と注文ごとの固定額がかかる

落札手数料はカテゴリーで変わります。1つの商品の売上総額が7,500ドルを超えた分は、率が下がります。

カテゴリー7,500ドルまで7,500ドルを超えた部分
Trading Cardsを含むほとんどのカテゴリー13.25%2.35%
Books & Magazines/Movies & TV/Music14.95%2.35%

この2つの率は、ストアに加入していない場合と、ストアプランがスターターの場合の値です。

落札手数料とは別に、注文ごとの固定額がかかります。10.00ドル以下の取引は0.30ドル、10.00ドルを超える取引は0.40ドルです。

出典:eBay公式の日本向け手数料ページ

越境の販売には海外決済手数料と為替手数料が加わる

海外決済手数料は1.35%です。商品の配送先か、バイヤーの登録住所が、セラーの登録国以外のときにかかります。

この率は前々月の売上に応じて割り引かれます。セラーレベルが前月20日にBelow Standardと判定されると、割引は適用されません。

前々月の総売上海外決済手数料
3,000〜9,999.99ドル1.20%
10,000〜49,999.99ドル0.95%
50,000〜99,999.99ドル0.70%
100,000ドル以上0.40%

為替手数料は3.0%です。日本の住所を登録している場合、米ドル以外で取引されるeBayサイトで売ると基準為替レートに加算されます。

出典:eBay公式の日本向け手数料ページの越境手数料の項。

eBayストアの出店料は契約の期間で変わる

ストアに加入する場合は出店料がかかります。同じプランでも、月々契約と年間契約で1か月あたりの金額が変わります。

ストアプラン月々契約(1か月あたり)年間契約(1か月あたり)
スターター7.95ドル4.95ドル
ベーシック27.95ドル21.95ドル
プレミアム74.95ドル59.95ドル
アンカー349.95ドル299.95ドル
エンタープライズ現在はご利用いただけません2,999.95ドル

出典:eBay公式の日本向け手数料ページのストア出店料の表。

2つの費用は足さずかかり方の形で見比べる

Shopify側の月額とカード料率は、1つ前の節の表にあります。プランごとの金額と、標準カードと海外カードの率をそこで確認してください。

eBay側とShopify側の率は、かかる相手も条件も通貨も別です。2つを足して1つの数字にすると、当てはまらない条件が混ざります。

eBay側は売れた金額に率がかかり、注文ごとの固定額と越境の率が重なります。Shopify側は月額を先に払い、決済のたびにカードの料率がかかります。

自分の数字で見比べるときは、月商と注文件数、越境の割合を先に出してください。それぞれの率を自分の売上に当てて、月ごとの金額で並べてください。

データを出して入れるまでの移行の手順

作業の順序は決まっています。先にShopify側の制約を知らずにデータを出すと、整え直しで二度手間になります。

  1. eBayのSeller Hubから商品と注文のデータを書き出す(顧客は Seller Hub のレポートでは書き出せない)
  2. Shopifyの商品テンプレートに合わせて列を対応づけ、文字コードと改行コードを整える
  3. 商品を先に取り込み、少数でテストしてから全件を入れる
  4. 顧客はCSVの取り込みかStore Migrationアプリのどちらかで移し、いずれもパスワード再設定の案内を用意する
  5. 最後に注文履歴の扱いを決め、eBayと並走させる期間を決める

この順番は公式が指定しています。商品と顧客が注文に正しく結び付くよう、商品、顧客、過去の注文の順に入れてください。

この順序はShopify公式のShopifyへの移行に書かれています。

移し方の5つから公式ガイドの最初のステップで選ぶ

eBayからの移行を扱う公式ガイドは、最初のステップで移し方を5つ挙げています。

手動でのデータのコピーアンドペースト、CSVインポート、Store Migrationアプリ(早期アクセス)、外部サービスの移行アプリ、移行の専門家の5つです。

このうちStore MigrationアプリはShopify自身のもので、早期アクセスの扱いです。外部サービスの移行アプリとは別物なので、混ぜないでください。

選ぶ基準は、移す件数と、テンプレートに収まらない項目がどれだけあるかです。

出典:Shopify公式のeBayから移行するのステップ1。

eBayからの持ち出しはSeller Hubのレポートタブ

eBayでは、Seller Hubのレポートタブから出品と注文のデータを書き出せます。以前の一括出品ツールの後継にあたる機能です。

書き出したファイルはCSVです。保存するファイル名の例を出しているのはShopifyの移行ガイドの英語版で、商品がeBayProductDownload.csv、注文がeBayOrdersDownload.csvです。

Shopifyの移行ガイドも同じ場所を案内しています。原文は「eBay のセラーハブから、[レポート] > [ダウンロード]の順に移動します」です。

Shopifyの移行ガイドの英語版は、書き出すもとの選び方まで書いています。商品はListings、注文はOrdersを選び、注文はレポートの種別にPaid and shippedを指定します。

レポートタブのソースは、注文・出品・マーケティングから選ぶ形です。公式は「Choose Orders, Listings or Marketing from the Source options.」と書いています。

出典:eBay公式のSeller HubのレポートShopify公式のeBayから移行する

顧客を移す道は2つある

顧客の移し方は1つではありません。公式は移行の総合案内で、顧客の欄に「顧客CSVファイルを使用したエクスポート/インポート、移行アプリ、Customer API」の3つを挙げています。

この記事で扱うのは前の2つです。Customer APIは開発の手が要るため、ここでは触れません。

1つ目がCSVの経路です。この顧客CSVの出どころは、次の段落のStore Migrationアプリの経路と同じ「eBay の商品とお客様を CSV 形式でエクスポート」という書き出し手順です。書き出した顧客CSVを自分で整えてから取り込む形で、列や文字コードの決まりは後の節にまとめてあります。

2つ目がStore Migrationアプリの経路です。eBay専用のガイドが顧客に触れているのはこちらで、ステップ1に「eBay の商品とお客様を CSV 形式でエクスポートし、CSV を変更することなくアプリにアップロードします」とあります。

違いは、CSVを自分で整えるかどうかです。列の対応づけを手元で管理したいならCSV、手数を減らしたいならアプリを選びます。

どちらを選んでも、取り込んだ後にパスワード再設定の案内が要る点は変わりません。3つの選択肢の出典はShopify公式のShopifyへの移行です。

出典:Shopify公式のShopifyへの移行

使う前に確認したい2つの条件

1つ目は利用条件です。法人出品者は自動で使えますが、個人出品者は少なくとも1回の販売実績がないとアクセスできません。

2つ目は引き継ぎです。従来の一括出品ツールで作成した、または日時指定したテンプレートとレポートは、新しいレポートツールには移行されません。作り直しになります。

在庫が大量にある場合は、Merchant Integration Platform(MIP)という別の一括管理ツールがあります。5万以上のSKUを30分以内にアップロードできると公式は説明しています。

この節の3点はeBay公式のFile Exchangeによります。MIPの原文は「MIP can upload over 50,000 SKUs in under 30 minutes.」です。

書き出したCSVはそのままでは取り込めない

書き出したファイルをそのままShopifyへ入れることはできません。公式も「CSV ファイルを手動で編集する必要がある場合があります」と書いています。

手順は、Shopifyの商品テンプレートを先に手元へ落とすところから始まります。テンプレートの列名と並びは決まっているので、書き出した列を1つずつ対応づけます。

テンプレートで軸になる列がHandleです。公式はこれを「各商品の固有ID」であり「商品ページの URL に使用」されるものだと説明しています。

画像を複数枚入れるときは、同じHandleのまま行を増やします。公式の書き方は「新しい行を挿入します。画像ごとに1つの行のみを使用する必要があります」です。

画像の説明文はImage Alt Textという列に入ります。最大512文字まで書けて、125文字以内が最適だと公式は説明しています。

値下げ前の価格を並べて見せたい場合は、Variant Compare-at Priceの列を使います。通貨記号は付けず、数字だけを入れます。

商品説明にあたる欄は1つだけです。開発者向けの資料は、この欄をHTMLが使える商品の説明と定義しています。

テンプレートに列が無い項目は、この説明欄にまとめるか、メタフィールドで持たせます。メタフィールドは既存のデータの形を独自の項目で広げる仕組みです。

出典:Shopify公式の商品CSVインポートShopify開発者向けの商品リソースShopify公式のメタフィールド

取り込みの設定と取り込んだ後の確認

取り込みの画面にあるのが、新しい商品をすべての販売チャネルへ公開するかどうかの設定です。Shopifyの移行ガイドの英語版は、この設定を外してから読み込むよう案内しています。

取り込みが終わっても、商品が公開されないまま入ることがあります。ガイドが例に挙げるのは、この状態を知らせる表示です。

公式は取り込んだあと、すべての情報が正しく入ったかを確認するよう求めています。例として挙がるのは価格や重量や在庫で、違ったままだと売上に直接響きます。

説明文が途中で欠けている商品も、この段階で見つかります。バリエーションが作られなかった商品は、手での足し直しです。

データを入れた後に公開までに残る設定

eBayからの移行を扱う公式ガイドは、全部で15のステップに分かれています。ここまでで触れたのは、データを出して入れるまでの8ステップ分です。

残りはデザイン、配送、税金、決済、テスト注文、スタッフ、ドメインの設定です。データが入っただけでは店は開きません。

移行の日程を引くときは、この7つ分の時間を別に見込んでください。とくにドメインの移管と決済の審査は、自分の作業が終わっても待ち時間が出ます。

ステップの並びはShopify公式のeBayから移行するによります。

移せるデータと移せないデータ

移行の設計は、この線引きから始まります。移せないものを先に把握しないと、切り替えの直前で行き詰まります。

移せるものと移せないものの一覧

データ移せるか根拠
商品情報移せる(CSV)Shopify公式の商品CSVインポート
商品画像移せる(URLを書くとShopifyが取り込む)1商品に最大250件
顧客の基本情報移せる(CSV)Email列が必須
顧客のパスワード移せないShopify公式が明記
eBayのレビュー直接は移せない(外部のレビューアプリを案内)Shopify公式の移行ガイド ステップ6
過去の注文履歴移せる(App Storeの外部移行アプリ)Shopify標準のCSV取り込みには無い

出典:Shopify公式の商品CSVインポート顧客のインポートeBayから移行する

パスワードは公式が「移行できない」と書いている

Shopifyの公式ヘルプには、CSVを使って別のオンラインストアから顧客のパスワードを移行することはできない、と書かれています。

理由も同じ文に書かれています。パスワードはShopifyの外で暗号化されているため、そのままの形では持ち込めません。

そのため取り込んだ後、顧客に新しいパスワードの作成を案内する必要があります。この案内を用意せずに切り替えると、ログインできない問い合わせが集中します。

公式の言い方は、アカウントを登録できるように新しいパスワードの作成を招待する、というものです。招待の文面は切り替えの告知と一緒に用意してください。

レビューは直接移せず外部アプリの案内になる

公式の移行ガイドには、レビューを取り込むステップが(任意)として置かれています。ただし本文は「eBay から Shopify にレビューをエクスポートまたは移行することはできません」と書いています。

直接持ち出す手段が無いという意味で、ガイドはレビュー用の外部アプリを案内しています。注文履歴とまったく同じ形です。

買い手の声を売り場の材料にしてきた場合、ここが移行でいちばん痛い部分になります。どのアプリで受けるかを、切り替えの前に決めます。

レビューとは別に、セラーの評価(フィードバック)があります。eBay公式は複数アカウントの説明で「アカウントを統合することはできません」「評価スコアは常に別々のままです」と書いています。

同じeBayのアカウント同士でも引き継げない仕組みです。買い手の信頼は、Shopify側でレビューを集め直して作る前提で計画してください。

出典:Shopify公式のeBayから移行するのステップ6と、eBay公式の複数アカウントの説明

注文履歴は書き出せるが取り込みは外部アプリになる

注文履歴には、公式の移行ガイドに専用のステップが2つあります。書き出しがステップ7、取り込みがステップ8です。

書き出しはeBay側の作業です。セラーハブのレポートからダウンロードへ進み、注文のレポートを作ります。

取り込みはShopify標準のCSVには用意がありません。公式は「Shopify App Store の外部移行アプリを使用して、注文履歴を移行できます」と案内しています。

どちらのステップにも「(任意)」と付いています。過去の注文を移さないという選択も、公式の想定の中にあります。

ガイドはアプリを例として挙げているだけで、料金は公式に書かれていません。移す注文の件数を数えると、アプリの費用を払うか、書き出したファイルの保管で済ませるかが決まります。

移行が済んだ後、Shopify側から注文を書き出すときは件数で経路が変わります。50件までは画面からダウンロードでき、51件以上はメールで届きます。

並走の期間を記録として残すなら、この違いを知っておくと段取りが楽になります。出典:Shopify公式の注文のエクスポート

出典:Shopify公式のeBayから移行するのステップ7と8。

取り込みの形式には決まった制約がある

項目決まり
文字コードUTF-8 で保存する
改行コードLF を使う
1行目列ヘッダーにする
顧客CSVのサイズ15MB以下(超える場合は複数ファイルに分ける)
顧客CSVの国・地域ISO 3166-1のAlpha-2コードで書く
商品のオプション1商品に最大3つまで
オプションの値1つあたり255文字まで
画像の説明文最大512文字(125文字以内が最適)
1商品の画像最大250件

出典:Shopify公式の商品CSVインポート顧客のインポート顧客CSVの問題開発者向けの商品リソース

移行でつまずく注意点

実際に手が止まりやすいのは、費用の計算ではなく取り込みの作業です。原因が見えにくいものほど、気づくのが遅れて戻る手間が大きくなります。

文字化けと引用符は原因が見えにくい

取り込みが失敗したとき、どの行のどの文字が原因かはすぐに分かりません。UTF-8とLFの2点は、書き出した直後に必ず確認してください。

商品説明に見慣れない文字が並んだら、公式はまず文字コードを疑うよう書いています。直し方も具体的に示されています。

ファイルをテキストエディタで開き、UTF-8を指定して保存し直す。これが公式の手順です。

もう1つの原因が引用符です。表計算ソフトが付けるカーリークォートを、ストレート引用符へ置き換えるよう公式は書いています。

商品説明に改行や引用符が入っていると、列の区切りが崩れることがあります。少数の商品で一度試してから全件を入れる手順は、この確認のためにあります。

出典:Shopify公式のCSVインポートでよくある問題(文字コードと引用符の項)。

顧客CSVが弾かれる理由は決まっている

顧客の取り込みで出るエラーは、公式ヘルプが一覧にしています。原因が分かれば、直し方もその場で決まります。

多いのはサイズと形式です。15MBを超えたファイルは分割し、UTF-8とLF形式で保存し直します。

アップロードは一度に1ファイルだけです。前の取り込みが終わる前に次を投げると、その時点で止まります。

見落としやすいのが国と地域の書き方です。公式はISO 3166-1のAlpha-2コードを使うよう指定しています。

越境で売っていると、顧客の住所は世界中に散ります。国名を綴りで書いた列は、コードへ置き換えてから取り込んでください。

出典:Shopify公式の顧客CSVインポートの問題

オプションが3つを超える商品はそのまま入らない

Shopifyでは1商品に設定できるオプションが最大3つです。色とサイズと素材で3つ埋まるため、4つ目の軸を持つ商品は形を変える必要があります。

対処は2つです。4つ目の軸を商品自体に分けるか、オプションを組み合わせて3つに畳むかを、移行前に決めてください。

値の長さにも上限があります。開発者向けの資料は、オプションの値1つあたり255文字までと定めています。

バリエーションが極端に多いと取り込みに日数がかかる

商品のバリエーションが極端に多いストアには、1日あたりの上限があります。公式ヘルプが数字で示しています。

バリエーションの総数が500,000件以上のストアでは、24時間のうちに新しく作れるのは10,000件までです。Plusのストアはこの上限の対象外です。

上限に達すると、1日あたりの作成数の上限に達したというエラーが出ます。当てはまる規模なら、取り込みを何日かに分ける前提で計画を立ててください。

eBay側で5万を超えるSKUを扱ってきたセラーでも、この上限に届くとは限りません。まず自分のバリエーション総数を数えるところから始めます。

上限とエラーの文言は、Shopify公式のCSVインポートでよくある問題のバリエーション作成の上限の項にあります。

注文履歴を移すかどうかで切替の設計が変わる

移すか移さないかは、費用と手間で決まります。外部アプリを入れるなら、その料金が移行の予算に乗ります。

移さないと決めた場合は、書き出したファイルを記録として保管する形になります。どちらを選ぶかで、切り替えの設計が変わります。

どの時点から新しい注文をShopifyで受けるかは、先に決めてください。決めずに始めると、同じ期間の注文が2か所に散らばります。

eBayを残して並走するなら連携の無料枠が境目になる

eBayを閉じずに並走させる場合、Shopify側から出品と注文をまとめる連携アプリがあります。Shopifyのアプリストアで公開されているMarketplace Connectです。

対応先はAmazon、Target Plus、Walmart、eBayの4つです。

このうちTarget PlusとWalmartには「米国のみ」という注記が付いています。注記があるのはShopify公式のマーケットプレイス連携の一覧で、アプリストアの説明文には書かれていません。

導入そのものは無料です。

課金は注文の数で決まります。無料枠はマーケットプレイス同期の注文が月50件まで。超えた分は追加注文1件につき1%で、月額99ドルが上限です。

つまり月の注文が50件を境に、運用コストの性質が変わります。両方を回し続けるか、どちらかへ寄せるかを考える最初の目盛りがここにあります。

対応先と課金の条件は、Shopifyアプリストアのマーケットプレイス連携アプリの掲載によります。

連携アプリを入れる前に確かめておくこと

アプリの評価は4.2で、レビューは1,958件です。ただし星1が13%あり、件数にすると264件になります。

星1が13%あるということは、合わない使い方が一定数あるということです。任せたい在庫の同期や注文の取り込みが星1の内容と重なるなら、候補から外れます。

公式ヘルプには、オンラインストアの商品や注文に加えられた変更は連携先へ自動的に同期される、と書かれています。

一方で同期の向きや頻度や間隔は、公式ページに具体的な数値の記載がありません。書かれていない以上、少数の商品で挙動を見るまでは全在庫を任せられません。

Etsyについては、現時点で新しく連携することはできないと明記されています。すでにEtsyで販売している場合は引き続き使えるとも書かれています。

出典:Shopifyアプリストアのマーケットプレイス連携アプリ(評価とレビュー件数)。

出典:Shopify公式のマーケットプレイス連携(自動同期とEtsy)。

集客はゼロから積み直しになる

eBayが担っていた集客は、そのまま引き継げません。自社ECの検索順位も、外部からの流入も、ゼロから積み直しになります。

移行の予算を組むときは、集客にいくら充てるかを同時に決めてください。並走の期間を置くのは、この立ち上がりを埋めるためです。

よくある質問

eBayをやめてShopifyだけにすべきですか?

売上の入り口がどこかによります。eBayの検索から来ている割合が高い場合、やめると売上をそのまま失います。

指名で買われている割合が高いなら自社ECへ寄せる余地があるため、まず入り口の内訳を数えてください。

顧客のパスワードは本当に移せないのですか?

Shopify公式が、CSVを使って別のオンラインストアからパスワードを移行することはできないと明記しています。

取り込み後に新しいパスワードの作成を案内する必要があります。切り替えの告知に、この案内を必ず含めてください。

過去の注文履歴はどうすればいいですか?

eBay側から注文のレポートを書き出せます。Shopifyへ入れる場合、公式はApp Storeの外部移行アプリを案内しています。

標準のCSV取り込みには注文がなく、移さずに書き出したファイルを保管する選択も公式のガイドでは任意の扱いです。

eBayのレビューや評価は引き継げますか?

公式は「eBay から Shopify にレビューをエクスポートまたは移行することはできません」と書き、外部のレビューアプリを案内しています。

評価はアカウントに紐づき、eBay公式はアカウントを統合できず評価スコアは常に別々のままだと書いています。

取り込みで文字化けしたときは何を見ればいいですか?

まず文字コードを疑ってください。公式はUTF-8以外での保存が原因だと説明しています。

対処はUTF-8を指定して保存し直すことと、表計算ソフトが付ける引用符をストレート引用符へ置き換えることの2つです。

移行するとどんな費用がかかりますか?

eBay公式の日本向けページは落札手数料13.25%、注文ごと0.30ドルか0.40ドル、越境は海外決済手数料1.35%です。

Shopify公式の料金ページはBasicが月額4,850円、カードは3.55%、海外は3.9%です。

並走するなら連携アプリの同期注文が月50件を超えた分に1%(上限は月99ドル)が乗ります。

まとめ:eBayからShopifyへの移行チェックリスト

eBayからShopifyへの移行では、集客を自分で持つことになります。作業面では、移せないものを先に押さえるほど後が楽になります。

  1. eBay側の落札手数料と越境の率、Shopify側の月額とカード料率を、自分の売上に当てて出す
  2. Seller Hubのレポートタブが使えるか確認する(個人出品者は販売実績が1回以上必要)
  3. 公式の移行ガイドを開き、5つの移し方から自分の規模に合うものを選ぶ
  4. Shopifyの商品テンプレートを落とし、書き出したCSVの列を対応づける
  5. 書き出したファイルをUTF-8・LF・1行目が列ヘッダーの形に整える
  6. オプションが3つを超える商品を洗い出し、形を決める
  7. 商品、顧客、過去の注文の順に取り込む(公式が指定する順序)
  8. 顧客のパスワード再設定を案内する文面を用意する
  9. 注文履歴を外部アプリで移すか、書き出したファイルの保管で済ませるかを決める
  10. レビューは直接移せないため、外部のレビューアプリを使うかどうかを決める
  11. 注文をどの時点からShopifyで受けるかを決める
  12. 少数の商品でテスト取り込みを行ってから全件を入れる
  13. eBayと並走させる期間と、集客に充てる予算を決める
  14. 並走するなら、連携アプリの月50件の無料枠に自分の注文数が収まるか確かめる

まずはSeller Hubから少数の商品を書き出し、Shopifyへのテスト取り込みまでを一度通してください。詰まる箇所が具体的に分かってから、全件の作業に入るのが確実です。

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この記事の執筆者

ShopiCrew ライターチーム

私たちは直営ECで年商1億円超を運営しながら、これまでに100件超のShopifyストア構築を手がけてきたチームです。自社でも店舗を運営しているからこそ分かる、売上に直結する設定や運用の勘所を、実務目線で記事にしています。通算売上実績は3億円超。現場で得た知見をもとに、実際に手を動かせる情報だけをお届けします。